やけど虫(アオバアリガタハネカクシ)の体液に触れてしまうと、火傷のような激しい皮膚炎を引き起こす可能性があります。もし、この虫が体にとまっていたり、潰してしまったりしたことに気づいた場合、適切な応急処置を迅速に行うことが、症状の悪化を防ぐために非常に重要です。まず、絶対にやってはいけないことがあります。それは、「患部を決してこすらないこと」です。虫を潰してしまった場合や、体液が付着したと思われる部分をこすってしまうと、毒成分であるペデリンを広範囲に塗り広げてしまい、被害を拡大させる原因となります。痒みや違和感があっても、絶対に掻いたり擦ったりしないでください。次に、すぐに行うべき最も重要な処置は、「大量の流水で洗い流すこと」です。石鹸やボディソープなどをよく泡立て、患部を優しく、しかし十分に洗い流します。この時も、ゴシゴシこすらず、泡で包み込むようにして、毒液を洗い流すイメージで行ってください。最低でも数十秒、できれば数分間は洗い流し続けるのが理想的です。もし、虫がまだ皮膚の上にとまっている場合は、直接手で触れずに、息で吹き飛ばすか、ティッシュペーパーなどでそっと取り除いてから洗い流しましょう。洗い流した後は、清潔なタオルで優しく水分を拭き取ります。この時点では、まだ症状が出ていないかもしれませんが、油断は禁物です。ペデリンによる皮膚炎は、接触から数時間後、あるいは半日以上経ってから症状が現れることが多いからです。もし、赤みや腫れ、痛み、水ぶくれなどの症状が現れてきた場合は、患部を冷やすことで炎症と痛みを和らげることができます。保冷剤や氷嚢をタオルで包み、患部に当ててください。痒みが強い場合は、抗ヒスタミン成分配合の市販薬を使用することも考えられますが、症状が強い場合や水ぶくれができている場合は、自己判断せずに皮膚科を受診することが最も重要です。皮膚科では、炎症を抑えるためのステロイド外用薬などが処方されます。特に、線状皮膚炎のような特徴的な症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。早期の適切な治療が、症状の悪化や跡が残るリスクを軽減します。
もしやけど虫に触れたら応急処置