フローリングや家具のそばに、原因不明の細かな木くずが落ちているのを発見したら、それはキクイムシ被害のサインかもしれません。パニックにならず、適切な初動対応をとることが、被害拡大を防ぐ鍵となります。まず、木くずを発見したら、その場所と状況を詳しく確認しましょう。どのくらいの量の木くずが、どこから落ちているのかを特定します。木くずが出ている箇所(家具、床、柱など)の表面をよく観察し、直径1~2ミリ程度の小さな穴(虫孔:ちゅうこう)が開いていないか探してください。この穴が、キクイムシの成虫が脱出した跡であり、木くずの排出口となります。スマートホンなどで、木くずと虫孔の写真を撮っておくと、後の相談や記録に役立ちます。次に、掃除機で木くずを丁寧に吸い取ります。この時、周辺に散らばっている可能性も考慮し、少し広めの範囲を掃除しましょう。掃除後、同じ場所に新聞紙や白い紙などを敷いておくと、新たに木くずが落ちてきた場合にすぐに気づくことができます。数日経っても木くずが再び現れるようであれば、キクイムシがまだ内部で活動している可能性が高いと判断できます。応急処置として、市販のキクイムシ用殺虫剤(ノズル付きのスプレータイプなど)を使用することも考えられます。虫孔にノズルを差し込み、薬剤を注入します。これにより、穴の近くにいる成虫や幼虫を駆除できる可能性があります。ただし、これはあくまで一時的な対策であり、木材内部深くにいる幼虫には効果が届きにくい場合が多いことを理解しておきましょう。薬剤を使用する際は、製品の説明書をよく読み、換気を十分に行うなど、安全に注意してください。被害が広範囲に及んでいる場合、被害箇所が複数ある場合、自分で対処しても木くずの発生が止まらない場合、あるいは賃貸物件や新築物件で発生した場合などは、自己判断せずに、できるだけ早く専門の害虫駆除業者や、住宅メーカー、工務店、管理会社などに相談することをおすすめします。専門家は、被害状況を正確に診断し、適切な駆除方法や対策を提案してくれます。早期の相談が、被害の深刻化を防ぐ最も確実な方法です。