賃貸物件で見かける蜂の巣も、その主である蜂の種類によって危険度や対処法が異なります。代表的な蜂の種類と、賃貸物件における注意点を見ていきましょう。まず、「アシナガバチ」です。比較的細身の体で、飛ぶときに長い後ろ脚をだらりと垂らしているのが特徴です。軒下やベランダ、庭木など、開放的な場所にシャワーヘッドを逆さにしたような形の巣を作ります。性格は比較的おとなしく、こちらから刺激しなければ襲ってくることは少ないと言われますが、巣を守る意識は強いため、巣に近づいたり振動を与えたりすると攻撃してきます。毒性もあり、刺されると痛みや腫れが生じます。賃貸物件でもよく見かける種類ですが、巣が小さいうちであれば、専門業者による駆除は比較的容易な場合が多いです。次に、「スズメバチ」です。大型で攻撃性が高く、最も危険な蜂です。黄色と黒の縞模様が特徴的な種類が多いですが、全体的に黒っぽいオオスズメバチなどもいます。初期の巣はとっくりを逆さにしたような形ですが、次第に球状や丸みを帯びた形になり、マーブル模様の外皮で覆われます。屋根裏や床下、壁の中、土の中など、閉鎖的な空間を好んで巣を作ることも多いです。非常に攻撃的で、巣に近づいただけでも威嚇・攻撃してくることがあります。毒性も非常に強く、アナフィラキシーショックを起こす危険性が最も高い蜂です。賃貸物件でスズメバチの巣を見つけたら、絶対に近づかず、速やかに管理会社や大家さんに連絡し、専門業者による駆除を依頼してください。自己判断での対処は絶対に禁物です。最後に、「ミツバチ」です。他の蜂に比べて丸みを帯びた体つきで、毛深いのが特徴です。基本的に温厚な性格ですが、巣を守るためには刺すこともあります。ミツバチの巣は、屋根裏や壁の中、床下などの閉鎖的な空間に、蜜蝋でできた巣板を何枚も重ねて作られることが多いです。巣が大きくなると、蜂蜜が垂れたり、他の害虫を誘引したりする原因にもなります。駆除には専門的な技術が必要となる場合があります。賃貸物件で蜂の巣を見つけたら、まずは安全な距離から観察し、可能であれば種類を見極めることが大切ですが、いずれの種類であっても、最終的な判断と駆除はプロに任せるのが最も安全で確実です。