私の住むアパートのベランダには、毎年夏になるとアシナガバチが偵察にやってきます。洗濯物を取り込むたびにビクビクするのはもう嫌だと思い、今年は本格的な対策を講じることにしました。私が選んだのは、インターネットで評判だった「手作りハッカ油スプレー」です。ドラッグストアで無水エタノールと精製水、そして主役のハッカ油を購入し、早速作ってみました。スプレーボトルに無水エタノールを少量入れ、そこにハッカ油を数十滴垂らしてよく振り混ぜ、最後に精製水を加えてさらに振るだけ。驚くほど簡単に、爽快な香りのする蜂よけスプレーが完成しました。まずは、蜂がよくとまっていた網戸や物干し竿に、これを満遍なくスプレー。すると、その日以降、蜂がベランダに近づいてくる頻度が明らかに減ったのです。あの強烈なミントの香りが、彼らにとっては相当な不快指数だったのでしょう。しかし、この対策には一つ、重要なポイントがありました。それは「持続性」です。ハッカ油の香りは揮発性が高いため、数時間もすれば効果は薄れてしまいます。特に雨が降った後などは、効果はほぼゼロに。そこで私は、スプレーする頻度を上げると同時に、ハッカ油を数滴垂らした小さな布切れを、洗濯バサミで物干し竿の端に吊るしておくという工夫を加えました。これにより、香りがより長く持続するようになった気がします。この手作りスプレーは、蜂を殺すのではなく、あくまで「あっちへ行ってね」とお願いするような、優しい対策です。根気は必要ですが、化学薬品を使わずに、自分と蜂との間に穏やかな境界線を引けたことに、大きな満足感を覚えています。