ベランダのハトの巣対策の基本知識
都市部を中心に、ベランダや軒先などにハトが巣を作る被害が増えています。なぜハトは人の生活空間に巣を作りたがるのでしょうか。ハトは本来、崖や岩場のような場所に巣を作る習性があります。マンションのベランダや建物の隙間は、外敵から身を守りやすく、雨風をしのげるため、ハトにとって非常に魅力的な営巣場所となるのです。特に、室外機やプランターの裏、物置の隙間など、少しでも遮蔽物がある場所は狙われやすくなります。また、近くに餌場や水場がある環境も、ハトが寄り付く要因となります。ハトは一度安全な場所だと認識すると、強い執着心を示し、繰り返し巣を作ろうとします。初期段階であれば比較的追い払いやすいですが、巣が完成し、卵やヒナがいる状態になると、鳥獣保護管理法により、許可なく巣を撤去したり、卵やヒナを捕獲したりすることが禁じられています。巣があることによるリスクは多岐にわたります。まず、フンや羽毛による衛生問題が挙げられます。ハトのフンには様々な病原菌や寄生虫が含まれており、乾燥して空気中に飛散することで、アレルギーや感染症の原因となる可能性があります。特に小さなお子様や高齢者、免疫力が低下している方がいるご家庭では注意が必要です。さらに、フンによる建物の汚損や金属部分の腐食、排水溝の詰まりといった物理的な被害も発生します。鳴き声による騒音被害も無視できません。ハトの巣問題を理解し、早期に対策を講じることが、快適で衛生的な住環境を守るための第一歩となります。