自宅で蜘蛛を見かけたとき、それがどんな種類の蜘蛛なのか気になったことはありませんか。毒蜘蛛ではないかと不安になったり、あるいは益虫だと聞いて興味を持ったりすることもあるでしょう。専門家でなくても、いくつかのポイントを押さえれば、家で見かける主な蜘蛛の種類をある程度見分けることが可能です。まず注目したいのは、蜘蛛の大きさです。手のひらサイズにもなるような非常に大きな蜘蛛であれば、アシダカグモの可能性が高いでしょう。逆に、数ミリ程度の小さな蜘蛛で、壁や窓際をピョンピョンと跳ねるように動いていれば、ハエトリグモの仲間かもしれません。次に観察したいのは、体の形と脚の長さです。脚が非常に細長く、体が比較的小さく、弱々しい印象を受けるなら、イエユウレイグモが考えられます。体全体が丸みを帯びていて、艶のある黒い体色が特徴的なら、セアカゴケグモなどの有毒種である可能性も否定できませんが、日本の家屋内で見かけることは稀です。色や模様も重要な手がかりになります。アシダカグモは茶褐色で複雑な模様がありますが、ハエトリグモは種類によって様々な色や模様を持っています。光沢のある黒い体に赤い模様があれば、セアカゴケグモを疑うべきでしょう。蜘蛛の巣の形もヒントになります。イエユウレイグモは不規則な形の網を張りますが、アシダカグモやハエトリグモは徘徊性で、基本的に網を張って獲物を待ち構えることはありません。また、蜘蛛の動き方も種類によって特徴があります。素早く壁を走り回るのはアシダカグモ、跳ねるように動くのはハエトリグモ、ゆっくりと揺れるように移動するのはイエユウレイグモといった具合です。これらの特徴をいくつか組み合わせることで、家蜘蛛の種類をより正確に推測することができます。見慣れない蜘蛛を見つけて不安な場合は、無理に触ろうとせず、画像検索などを利用して種類を特定することをおすすめします。