賃貸物件で見つけた蜂の巣がまだ小さいと、「これくらいなら自分で駆除できるかも」と考えてしまうかもしれません。しかし、たとえ小さな巣であっても、自分で駆除を試みるのは非常に危険であり、絶対に避けるべきです。その理由をいくつか解説します。第一の理由は、言うまでもなく「刺される危険性」です。蜂は巣を守るために非常に攻撃的になります。巣に近づいたり、刺激したりすれば、種類によっては集団で襲ってくることもあります。特にスズメバチの毒は強力で、刺されると激しい痛みや腫れだけでなく、アナフィラキシーショックという命に関わる重篤なアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。アシナガバチも比較的おとなしいとは言われますが、巣を刺激すれば当然攻撃してきます。防護服などの適切な装備なしに駆除を試みるのは、無謀としか言いようがありません。第二に、「蜂の種類を正確に特定するのが難しい」という点です。見た目だけで蜂の種類を正確に判断するのは、専門家でなければ困難です。比較的大人しいアシナガバチだと思っていたら、実は攻撃性の高いスズメバチの初期巣だった、という可能性も否定できません。種類の判断を誤ると、危険度を見誤り、重大な事故につながる恐れがあります。第三に、「駆除が不完全になるリスク」があります。市販の殺虫剤で表面の蜂を駆除できたとしても、巣の中にいる幼虫や他の蜂、そして女王蜂を完全に駆除するのは難しい場合があります。駆除が不完全だと、生き残った蜂が再び巣を再建したり、かえって蜂を興奮させてしまったりする可能性もあります。第四に、「建物を傷つける可能性」です。無理に巣を剥がそうとして壁や天井を傷つけたり、殺虫剤が建材を変色させたりする可能性も考えられます。賃貸物件の場合、建物を傷つけると原状回復費用を請求されることもあり得ます。これらの理由から、賃貸物件で蜂の巣を発見した場合、自己判断での駆除は絶対にやめ、速やかに管理会社や大家さんに連絡し、プロの駆除業者に対応を依頼することが、自身の安全を守り、問題を確実に解決するための最善の方法です。
賃貸蜂の巣自分で駆除は危険な理由