ダンボール箱を部屋の隅に置きっぱなしにしていたら、小さな虫が湧いていた、という経験はありませんか。一見きれいに見えるダンボールですが、実は様々な虫にとって格好の住処や餌場となり得るのです。ダンボール自体を食べる虫もいれば、ダンボールの隙間を隠れ家として利用する虫、あるいはダンボールに付着したカビや汚れを食べる虫もいます。代表的なのはチャタテムシです。体長1ミリ程度の非常に小さな虫で、湿気を好み、ダンボールに生えた微細なカビやデンプン質を餌にします。数が増えると、白い粉のように見えることもあります。次にシミ(紙魚)もよく見られます。銀色で魚のような形をしており、素早く動きます。本の害虫としても知られますが、ダンボールの原料であるセルロースや糊を食べるため、ダンボールにも発生しやすいのです。暗く湿った場所を好みます。そして、多くの人が最も嫌うであろうゴキブリも、ダンボールを隠れ家として利用します。特に幼虫はダンボールの波状の隙間に潜り込んでいることがあり、保温性も高いため越冬場所になることもあります。卵を産み付けられるケースも少なくありません。さらに、シバンムシという甲虫の仲間も注意が必要です。幼虫がダンボール内部の紙を食べて成長し、成虫になると小さな丸い穴を開けて出てきます。食品に発生することも多い虫です。これらの虫は、ダンボールが保管されている場所の環境、特に湿度や温度、清掃状況によって発生しやすさが変わります。ダンボールを長期間保管する場合は、これらの虫が潜んでいる可能性を常に意識し、適切な対策を講じることが重要です。