シバンムシの駆除作業が終わっても、それで終わりではありません。駆除後の徹底的な清掃こそが、再発を防ぎ、清潔な環境を取り戻すための重要なステップとなります。薬剤を使用した場合はもちろん、使用しなかった場合でも、死骸や卵、フンなどが残っている可能性があるため、念入りな清掃が必要です。まず、駆除作業で使用した薬剤が残らないように、しっかりと「換気」を行います。くん煙剤などを使用した場合は、規定時間以上、窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。次に、シバンムシが発生していた場所、特に発生源となっていた箇所とその周辺を重点的に「掃除機がけ」します。棚の内部、引き出しの奥、畳の目、家具の隙間など、細かい部分まで丁寧に吸い取りましょう。この時、掃除機の排気で虫や卵をまき散らさないよう、排気がクリーンな掃除機を使用するか、窓を開けて換気しながら行うのが望ましいです。掃除機で吸い取ったゴミは、すぐにビニール袋などに入れて口を固く縛り、家の中に放置せず速やかに捨ててください。掃除機がけの後は、「拭き掃除」を行います。固く絞った雑巾や、アルコール除菌スプレーを含ませた布などで、棚や引き出しの内部、床、壁などを拭き上げます。これにより、掃除機では吸い取りきれなかった微細なフンや卵、薬剤の残りなどを除去する効果が期待できます。特に、食品を保管する場所は念入りに行いましょう。畳の場合は、畳の目に沿って丁寧に拭き掃除をします。ただし、水分の使いすぎは畳を傷める原因になるので注意が必要です。キッチン周りでは、食器や調理器具なども改めて洗浄しておくと安心です。もし、くん煙剤などを使用した際に、薬剤がかからないようにカバーなどをしていた場合は、それらも洗濯するか、きれいに拭いてから片付けます。衣類などに薬剤がかかった可能性がある場合は、洗濯してから着用するようにしましょう。最後に、駆除作業で廃棄した食品などの代わりに、新しく購入した食品などを保管する際は、必ず密閉容器に入れるなど、再発防止策を徹底します。駆除後の清掃は、単に綺麗にするだけでなく、シバンムシが再び発生するリスクを最小限に抑えるための重要な工程です。少し手間はかかりますが、このひと手間が、今後の安心につながります。