私の大切なニットを襲った犯人の足取り
あれは肌寒くなってきた秋の日のことでした。去年買ったばかりで、一度しか袖を通していないお気に入りのウールのカーディガンをクローゼットの奥から取り出したのです。今シーズンもこれを着るのを楽しみにしていたのに、広げてみると胸元にポツリと小さな穴が開いているのを見つけました。最初はどこかに引っ掛けてしまったのかと思いましたが、よく見ると他にも数カ所、まるで虫に食われたような不自然な穴が点在していました。ショックでした。丁寧に保管していたはずなのに、一体なぜ。私は犯人捜しを始めました。インターネットで調べると、ヒメカツオブシムシの幼虫という存在に行き着きました。写真を見ると、小さくて毛深い、あの虫でした。そういえば夏の間、部屋の隅で数匹見かけたことがあったのを思い出しました。その時は特に気にせずティッシュで捕まえて捨てていただけでしたが、あれが犯人の親だったのかもしれません。でも、どうやってクローゼットの中にまで入ってきたのでしょうか。私の部屋の窓には網戸がついていますし、ドアもきちんと閉めています。考えを巡らせていた時、ふとある可能性に思い至りました。ベランダでの洗濯物です。私は夏の間、シーツやタオルケットなどの大物をよく外に干していました。あの洗濯物を取り込む時に、成虫が紛れ込んでしまったのではないか。そして、そのまま部屋を飛び回り、クローゼットのわずかな隙間から侵入し、産卵したのかもしれません。そう考えると全ての辻褄が合いました。日々の何気ない行動が、知らぬ間に害虫を招き入れていたのです。この苦い経験から、私は洗濯物の取り込み方からクローゼットの管理方法まで、全てを見直すことを決意しました。あの一つの穴は、私に防虫意識の重要性を教えてくれた、忘れられない教訓となったのです。